ディープラーニングとは?事例と課題から考える、今後のIT人材に必要なこと

コラムCOLUMN

ディープラーニングとは?事例と課題から考える、今後のIT人材に必要なこと

2021/09/10

AI開発がさまざまな業界で注目されています。

今後はAI開発に携わる人が増えていき、関連する知識やスキルがより求められるようになるでしょう。

そこで、ディープラーニングが気になる人は多いのではないでしょうか。

ディープラーニングは機械学習の1つであり、多くの活用事例が存在しています。

そんなディープラーニングについて、具体的な事例や課題などを解説します。

今後の動向など最新事情が気になる人は参考にしてください。

ディープラーニングとは?

ディープラーニングは、日本語では深層学習と呼ばれる機械学習の手法のことです。

AI開発では人間の手を使わずにAIに自動で学習を進ませる必要があり、そのために、ディープラーニングが用いられています。

ディープラーニングは、十分な量のデータを用意して与えれば、ディープニューラルネットワークを利用してデータから特徴を抽出することができる、という学習方法です。

人間の脳神経回路をモデルにして作られたアルゴリズムを活用しています。

多くのデータをパターン認識して特徴を抽出できるニューラルネットワークを多層構造化しているのです。

多くのデータを与えられると、ディープラーニングはそこから最適解を導き出すことが可能です。

規則性や類似度などを判断することができ、その傾向を学習していく仕組みとなっています。

ディープラーニングへの関心が高まっている理由

ディープラーニングは精度の高さが特徴的であり、関心が高まっています。

特に、画像認証おいては、スピードと精度は人間を超えているため、非常に注目されているのです。

サーバーの処理能力が向上したため、ディープラーニングでより多くのデータを大量処理できるようになりました。

その結果、学習速度が向上して人間を上回るような能力を実現できるようになったのです。

そのため、ディープラーニングを活用することで、これまでは実現できなかったことも可能になります。

さまざまな分野で利用できると期待されているため、ディープラーニングの注目度は非常に高まっています。

ディープラーニングの活用事例

ディープラーニングの具体的な活用事例について解説します。

IoTサービス

IoTとは、モノに通信機能をつけて、インターネットとの接続や連携を可能にする技術のことです。

今、IoTを活用したサービスが増えています。

このIoTサービスを成功させるためには、複数の情報を蓄積していき、次にどのようなアクションを取るのか予見することが重要です。

これは、ディープラーニングが得意とする分野であり、IoTサービスにおける情報の蓄積と分析で利用されています。

精度の高い予測ができれば、利用者により価値のあるサービス提供できることにつながるためです。

自動車の運転

自動車の自動運転においてもディープラーニングは活躍しています。

ディープラーニングは画像処理の分野で高い精度を誇っており、自動運転にも使われているのです。

車載カメラにディープラーニングの技術を活用することで、周囲を認知して走行レーンや障害物などを識別させます。

これによって、常に安全なルートを進むことができ、歩行者などが飛び出してきたときも急ブレーキをかけることができるのです。

ディープラーニングの精度が高まれば、自動運転の安全性がより高まるでしょう。

ECサイトの運営

ECサイトの運営において、在庫管理はとても大切です。

在庫管理では顧客がどのようなときにどのような商品を欲しがるのか、その傾向がわかると、企業はスムーズに必要な発注ができるようになります。

そこで、廃棄する量を抑えながら無駄なく仕入れをするためにディープラーニングが活用されています。

ディープラーニングによって、顧客のデータから購買傾向を導き出せるAIを実現させることによって、データを根拠にした仕入れ判断ができるようになるのです。

医療技術

医療にはさまざまなデータが活用されているため、ディープラーニングが活用されています。

健康診断の数値や診断画像、論文のデータなどの医療データを解析することで、病気の早期発見や適切な治療方法の提案ができるようになるのです。

特に画像診断については、人間が目視で判断するには限界があるため、ディープラーニングの活用は注目されています。

これまで見過ごされてきた病気の発見や治療の提案が可能となるためです。

金融サービス

金融サービスにおいてもディープラーニングは利用されています。

たとえば、審査を行うときにAIにさまざまな属性データを与えて判定をさせるケースです。

これによって審査期間を短縮してコストを削減することができます。

不正な取引を検出するためにもディープラーニングは活用されています。

過去の不正な取引のデータを学習させることで、怪しい取引を瞬時に検出することができ、調査の負担軽減につなげられます。

顧客アンケートの分析などにもディープラーニングは利用できます。

農業

スマート農業の実現のためにディープラーニングが活用されています。

農業では気温や葉色などのデータを得ることができ、それらをAIに与えて味や生育スピードなどのコントロールをすることができます。

農場にさまざまなセンサーを設置してあらゆるデータを集めて分析させることで、農薬量や水量なども自動で調整することが可能です。

人間が判断するよりも、正確に農業を進められるようになる可能性があります。

農業の人材不足を解決できるだけではなく、より美味しい作物を育てられることが期待されているのです。

ディープランニング IT

ディープラーニングのアルゴリズム

ディープラーニングで用いられるアルゴリズムを紹介しましょう。

CNN(畳み込みニューラルネットワーク)

ディープラーニングにおいて最も利用されているネットワーク形式です。

大量のラベル付けされたデータを用意して、そこから学習した内容が畳み込まれて蓄積されていきます。

蓄積によってAIの学習が進んでいくのが特徴です。

たとえば、多くの画像データを与えられると、そこから多くの特徴を抽出していき、特徴とラベルは一緒に畳み込まれていきます。

別の画像からも同様にして特徴とラベルを一緒に畳み込み、これを蓄積していくのです。

蓄積された情報を比較・照合していくことによって、そのラベルを持つ画像はどのような特徴を持つのか学習していきます。

たとえば、スマートフォンでの物体検出にCNNは利用されています。

LSTM(Long Short Term Memory)

長い時系列データについても学習できるように生み出されたのがLSTMです。

日本語では「長・短期記憶」と呼ばれることもあります。RNNというモデルを拡張したものです。

RNNは複数の積み重なった隠れ層を行き来させて情報の精度を高めることができ、時系列のデータの学習に活用されていました。

しかし、長時間のデータを処理させると誤差が大きいという欠点がありました。

そこで、その問題点を解決するために生まれたのがLSTMです。

LSTMでは隠れ層の構造を簡素化しています。

たとえば、スマートフォンでの音声認識や機械翻訳などに用いられています。

他にも株価の予測から気象予報までさまざまな分野の予測分析で高い精度を実現させており、有用性の高さが認められています。

GAN(敵対的生成ネットワーク)

生成ネットワークと識別ネットワークという2つのネットワークを組み合わせてAIの学習を進ませていく手法です。

2つのネットワークを競わせてアウトプットさせます。

生成ネットワークには正解となるデータが与えられており、それに近いデータを生成するのが特徴です。

一方、識別ネットワークは、正解データと生成ネットワークから得られるデータを比較して正誤判定をします。

このように2つのネットワークを組み合わせることで、より精度の高い予測が可能となるのです。

たとえば、グラフィックデザインの生成やモノクロ写真のフルカラー可などで活用されています。

レトロゲームの再現に活用された事例もあり、ゲームエンジンを使わずにAIにゲームの内容を読み込ませるだけで再現できたことが話題になりました。

ディープラーニングの課題は?

注目されているディープラーニングにどのような課題があるのか解説します。

大量のデータが必要である

ディープラーニングを進めるためには大量のデータが必要となり、データ収集について課題があります。

例えば、サンプル数が少ない事象については学習をさせても精度が高くならないのです。

場合によっては、画像データが何億枚も必要となる場合があります。

ただデータを集めれば良いだけではなく、ディープラーニングをさせるのにふさわしいデータのみを集めることが大切です。

高精度な画像データなどを大量に収集する必要があり、効率よくデータ収集するための仕組みが求められます。

コストが膨大にかかる

ディープラーニングには膨大なコストがかかります。

メンテナンスやデータ収集などで従来のシステムよりも10倍以上ものコストがかかるケースなどもあります。

そのため、現在ディープラーニングを活用しているのは、大企業など資金力のあるところが多い傾向があります。

リセットがある

ディープラーニングには、新しい学習を始めると過去のデータがリセットされてしまう問題があります。

破壊的忘却と呼ばれる現象であり、せっかく学習した内容が失われるのです。

ブラックボックス問題がある

ディープラーニングは、コンピュータが人の手を介さずに学習を自動で進めていくため、ブラックボックス化しやすい点も問題視されています。

どうしてコンピュータがそのような判断をしたのかを解明することが困難であるためです。

内部構造が見えず、後に改善を加えようするのも難しいということが発生することがあります。

IT人材がディープラーニングに注目すべき理由

現在のAIへの注目度や活用事例などを考えると、今後、あらゆる分野・業界においてさらにAI開発が注目される時代になっていくでしょう。

その際には、ディープラーニングが利用されるケースが増えことが考えられます。

そのため、これからのIT人材には、AI開発やディープラーニングなど、最先端の知識やスキルに対応することが求められるように変化していく可能性が高いです。

これまで通用していた知識やスキルが陳腐化し、通用しなくなる時代がやって来るかもしれません。

そのため、IT人材として市場価値を保ち続け、より向上させるためには、向学心を持ち積極的に新しい分野を学んでいき、それを実践で活用できるIT人材になることをおすすめします。

ディープラーニングのスキルをはじめ、もちろんそれだけではなく、今以上のスキルを身に付けることが重要です。

そうすることで、市場価値の向上や獲得できる案件の幅は広がるでしょう。

これからの時代に対応したIT人材を目指す人におすすめできるのが「i-common tech」です。

当サービスは、フリーランスITエンジニア専門のエージェントであり、豊富な案件を用意しております。

その中には、ディープラーニングに関するものもあります。

アルゴリズムの開発に携わることができる案件やディープラーニングのPoC案件、画像解析、異常検知、時系列解析など、さまざまなディープラーニングに関する案件を扱っています。

そのため、自身の経験やスキルにマッチした案件、さらにスキルや専門性を高めることができる案件を獲得する可能性を高めることができます。

ディープラーニングのスキルを活用し活躍の幅を広げたい、ディープラーニングのスキルを高めたいとお考えであれば、ぜひ当サービスの利用を検討してみてください。
 

記事監修
パーソルキャリア株式会社 i-common techサービス責任者
荒井 雅人

株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)入社後、 人材紹介事業部にてキャリアアドバイザーおよびリクルーティングアドバイザーを歴任。

その後、経営顧問人材による経営支援サービスのi-common立ち上げを行い、2020年よりフリーランスITエンジニア専門エージェント事業のi-common techサービス責任者に着任。