SIer(エスアイヤー)の業務内容は?キャリアアップや独立の方法など徹底解説

コラムCOLUMN

SIer(エスアイヤー)の業務内容は?キャリアアップや独立の方法など徹底解説

2020/12/28

「SIer」はIT業界で人気の業種の一つです。

今回は、「SIer」の業務内容や種類、「SIer」からフリーランスのエンジニアとして独立する方法まで幅広く紹介します。

IT業界でキャリアアップ、年収アップを目指す方は必見です。

「SIer」の基本情報

まずは、「SIer」についての概要や、具体的な業務内容を紹介します。

「SIer」とは?

「SIer」とは、顧客となる企業から依頼を受けて、情報システムの開発・運用・保守を行う企業のことです。

「SIer」は造語で、「SI」と「er」という単語から構成されています。

「SI」とは、「System Integration(システムインテグレーション)」の略で、情報システムの開発や運用・保守を行うことを指します。

それに英語の「er」〇〇する人、という単語を接続して、「SIer」と呼んでいます。

つまり「SIer」とは、情報システムの運用や開発を行う企業の通称です。

( 関連記事:SI(システムインテグレーション)とは?SI事業の将来性やSIとSIerの違いなどを紹介

具体的な業務内容

多くの企業は、独自の情報管理システムを保有しています。

しかし、技術進歩の早い現代では、その情報管理システムがいつの間にか古くなり、非効率的なものになっていることが多々あります。

一方で、リソースやノウハウの不足により、情報管理システムのアップデートを、自社だけでタイムリーに継続していくことが難しい状況にある企業も増えているようです。

そこで必要になるのが、情報管理システムの開発や運用に特化した「SIer」です。

「SIer」の業務内容は、「企画」「要件定義」「設計・開発」「保守・運用」の大きく4つに大別することができます。

企画

顧客となる企業の課題をヒアリングし、どのような課題を解決したいのか、それに伴ってどのような機能を持つシステムが欲しいのかなどを顧客と一緒に考え、システムの方針や目的、コストなど決定していくフェーズが「企画」です。

顧客の課題を解決する方法をシステムへ落とし込むには幅広い知識・経験が必要となるため、「企画」フェーズは「SIer」に務める社員の中でも、ベテランの社員が担当することが多いようです。

要件定義

「企画」で決まったシステムの方針や目的に対し、「どのような機能を実装する必要があるか」を定義していくのが「要件定義」です。

実際のシステム仕様や、細かい費用感を詰めていきます。

こちらも「SIer」の中でも、ベテランの社員が担当することが多いようです。

設計・開発

「要件定義」で、決まったシステムの仕様に基づいて設計書を作成し、実際にエンジニアがプログラミングを行い、システムを作っていく段階です。

顧客の要望を満たすための仕様などは「企画」「要件定義」の段階ですり合わせをしているため、「設計」以降のフェーズでは「SIer」の中で完結することが多いです。

保守・運用

「設計・開発」のフェーズを経て、システムの運用開始後のサポートや改善を行うのが「保守・運用」です。

システムが開発されても、実際に運用していく中でエラーが起きた場合や改善点が見つかった場合に修正を行い、顧客からの質問にも答えることが主な仕事です。

「SIer」によってエンジニアの仕事内容は変わる

「SIer」の仕事は、前述の通り「企画」「要件定義」「設計・開発」「保守・運用」の4つに大別することができます。

しかし、「企画」から「保守・運用」まで一気通貫で担当する「SIer」は、一部の大企業を除くとそう多くはありません。

「設計・開発」専門、「維持・保守」専門というように、システムの「企画」〜「保守・運用」のプロセスのうち、一部のプロセスを扱う「SIer」も多く存在します。

そのため、「SIer」に所属するエンジアも、所属している企業がシステム開発のどこのプロセスを主に担当しているかによって、スキルセットが変わってきます

「設計・開発」を行う「SIer」であれば「設計・開発」のスキル、「保守・運用」を行う「SIer」であれば「保守・運用」のスキルを持つエンジアが多く所属していることになります。

「SIer」の種類

「SIer」は、「ユーザー系」「メーカー系」「独立系」などに分けることができます

ここでは、それぞれの「SIer」の特徴を紹介します。

ユーザー系

大手企業のシステム部門が、子会社として独立

一般的に商社、銀行、保険会社など、大企業の情報システム部門が子会社として独立したのが、「ユーザー系SIer」です。

親会社やグループ会社など、特定の業界に向けたシステム開発やITソリューションの提案が主な業務内容です。

顧客となる企業の業界が絞られることがありますが、顧客と近い距離で業務を行うことができるため、よりユーザー視点での提案をすることが可能です。

メーカー系

ハードウェアメーカーから発祥した系統

一般的に、パソコンなどのハードウェアメーカーの情報システム部門が独立したものが、「メーカー系SIer」です。

親会社のハードウェアとセットでソリューションを提案することが多いです。

親会社がハードウェアメーカーであるため、ハードウェア面からも、ソフトウェア面からも柔軟にシステム提案できることを強みとしています。

独立系

最初から「SIer」として起業されたもの

「メーカー系」「ユーザー系」のように企業から独立したのではなく、最初からシステムインテグレーション事業を目的に設立された企業のことを指します。

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「SIer」に就業するメリット

「SIer」に就職するメリットとしては、代表的なものですが、以下のようなものがあげられます。

自身のスキルアップが図れる

「SIer」のはたらき方は、一定期間特定のプロジェクトで開発や運用に携わり、それが終わると別のプロジェクトへ参画する、といった形式が一般的です。

そのため、さまざまな企業のシステム開発に携わることができ、経験の幅を広げることできます

また、規模の大きい「SIer」では開発未経験の領域であっても、育成を含めてプロジェクトに参画できるケースもあり、プログラミング経験の少ない人でもエンジニアとしてスキルアップすることができるでしょう。

プロジェクトごとに違う人と仕事ができる

「SIer」はプロジェクトごとに携わるメンバーが変わることが多く、特定の人と同じプロジェクトに参画し続けることは少ないです。

そのため、「SIer」の人間関係はある意味ドライなことが多いため、人間関係に悩まされることが少ない、或いはプロジェクトよって新たな人間関係を築けるという面もあります。

元請けの「SIer」の親会社は有名企業が多い

「SIer」は、「ユーザー系」「メーカー系」のように、商社、銀行、保険会社や、ハードウェアメーカーの情報システム部門が子会社として独立したという企業が多いです。

このため、親会社名は、誰もが耳にしたことのあるような企業であることも多く、仕事の需要が安定しているイメージを持たれています。

「SIer」で就業するデメリット

安定した環境でスキルアップが狙える「SIer」ですが、一方でデメリットになり得ることもあります。

特に、エンジニアとしての技術力だけでなく、より裁量権やスピード感を持ってプロジェクトを進めるスキルをつけたいと考えている人にとっては、デメリットとなる可能性があります。

下請け構造により、上流スキルの習得は元請け「SIer」の方が有利

「SIer」は建設会社と同様、下請け、孫請けというような文化があります。

具体的には、大手の「SIer」が顧客企業のシステム企画から保守までを一括で請け負い、その中の開発部分だけを下請けのA社に依頼し、A社はさらに開発の一部を孫請けであるB社に依頼する、といった具合です。

そのため、下請け、孫請けの「SIer」では顧客企業の課題解決というより、「切り出された作業」をするといったニュアンスが強く、上流の提案スキルを身につけたいのであれば、元請け「SIer」への就職をオススメします。

プログラミングなどに加えて、事務作業も増えがち

「SIer」は、顧客の情報管理システムを取り扱います。

そのため、情報管理が厳しく、顧客とのコミュニケーションコストも高くなります

若手社員などの場合、開発、運用のエンジニア業務に加え、契約周りの事務作業などを対応する時間が膨らむケースもあるでしょう。

スピード感に欠ける

「SIer」のはたらき方の基本は、数ヶ月〜数年かけて1つのプロジェクトを遂行するということが多くあります。

そのため、提案即実行というような形で仕事を進めることができません

複数の利害関係者と調整を重ねながら、大きなプロジェクトを少しずつ前に進めていくイメージです。

このため、仕事にスピード感がないと感じる人も多いようです。

「SIer」から独立するには?

「SIer」の多重構造により、思ったような仕事経験を積みにくい環境であることも多いようです。

「SIer」のはたらき方に違和感を抱く人には、独立することもオススメですが、「SIer」としての経験や学べるスキルを身につけた上で、独立する必要があります。

独立までの流れ

どのスキルを活かして独立をするかにもよりますので、ここでは一例を紹介します。

独立をするために、まずはエンジニアとして経験を積む人が多いのではないでしょうか。

強みとなるスキルもなく、キャリアが浅い状態で独立をすると、仕事を得ることに苦労する可能性が高いです。

自分の強みやアピールできるようなスキルを身につけた上で、フリーランスのエンジニアに転向するという形が望ましいでしょう。

独立するメリット

独立するメリットは複数考えられますが、ここでは主に「金銭面」と「自由」の2つを紹介します。

まずは、金銭面についてです。

「SIer」は業界構造上、下請け、孫請け会社にはすでに親請け会社の手数料が考慮された状態で仕事がくるため、利益率が低くなることが多いです。

もし、フリーランスエンジニアとして活動していれば、顧客企業から直接案件を請けることも可能となります。

つまり、間に入る会社もないため、利益率のよい仕事を引き受けることが期待できます。

結果的に収入アップに繋がる可能性もあるでしょう。

独立する2つ目のメリットは、「自由」です。

フリーランスであれば、自身で案件を選ぶことができるため、「SIer」に所属しているときよりも、自身のキャリアイメージに沿ったスキルを身に付けることが可能でしょう。

また、取引先との話し合いにより、自身の希望に応じた稼働時間や稼働日数を調整することができるため、時間的な「自由」が増えることもあります。

独立するリスク

一方で独立する上では、常に「仕事がなくなるリスク」に晒されることも認識しておきましょう。

企業に属していれば、営業担当や、ベテラン社員が案件を獲得してきてくれるかもしれませんが、フリーランスになれば、全て仕事は自分で獲得することになります。

不況の際には、スキルのあるエンジニアであっても、案件の募集自体が減ってしまい、収入が減るリスクが高まるでしょう。

まとめ

Web、IT業界でキャリアアップを目指す人の一つの形に、「SIer」でエンジニアの実践経験を積み、スキルを身につけて独立するという流れがあります。

フリーランスとして独立できれば収入アップだけでなく、時間的な自由も期待できるでしょう。

一方で「自分で案件を獲得し続けなければならないリスク」や「契約が短期で終了してしまうリスク」に常に晒されることになります

こうしたリスクを減らすためには、案件を紹介してくれるサービスに登録し、なるべく案件に困らない状態を作っておくことも大切です。

i-common tech」は、高単価でスキルアップにも繋がる案件や長期契約可能な案件も数多く保有しています。

また、クライアントとの契約締結や稼働開始後のサポートまで、フォローアップ体制が充実しているのも大きな特長です。

フリーランスとして独立し、安定して仕事を獲得したいと考えている人は、ぜひ無料会員登録して案件を探してみてください

記事監修
パーソルキャリア株式会社 i-common techサービス責任者
荒井 雅人

株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)入社後、 人材紹介事業部にてキャリアアドバイザーおよびリクルーティングアドバイザーを歴任。

その後、経営顧問人材による経営支援サービスのi-common立ち上げを行い、2020年よりフリーランスITエンジニア専門エージェント事業のi-common techサービス責任者に着任。